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白鵬翔 05年NEWS1

日刊スポーツ 1月1日
<抜粋> 白鵬が猛げいこ、3日間120番
大相撲初場所(9日初日、東京・両国国技館)へ向け、新小結白鵬が大みそか返上でけいこをした。ほとんどの部屋が正月休みに入った中、宮城野部屋で31番の申し合い。途中でけいこ相手の十両光法が「もう勘弁して」とギブアップしても、幕下を相手に続行。けいこ後も口笛を吹く余裕だった。29日からの年末3日間で実に120番。05年の目標は「まずは初場所で2ケタ勝ちたい。先場所の12勝が生かせるように」。19歳の大物はすでに、春場所での大関とりを見据えている。



スポニチ 1月10日
<抜粋> 綱の“模範”示した 朝青龍が白鵬に完勝
大相撲初場所(両国国技館)は9日、初日を迎え、横綱・朝青龍が場所前の調整不足を感じさせず、先場所敗れた新小結・白鵬を押し出しで下した。昨年から批判を受けてきた手刀も、これまでの左から右に直し、1年ぶりの天覧相撲で綱の“模範”を示した。
 横綱が“オレ流”を改めた。白鵬を下した朝青龍は、いつもと同じように右手でさがりを取った。ところが、思い直したかのように左に持ち替えると、本場所の土俵で初めて右手で手刀を切って懸賞金を受け取った。「新年の初日だし、できるだけ直していきたい。もともと決まりはないんだけどね」

昨年初場所後の横審で内館牧子委員が「左手で懸賞金を受け取ることは相撲の様式美に反する」と批判して問題化した“左手論争”。利き腕が左の朝青龍は6月の中国公演で1度挑戦しただけ。相撲教習所担当の大山親方(元幕内・大飛)らの指導にもなかなか変えようとしなかったが、天皇陛下が見守る新年最初の相撲で古来からの様式美にのっとり成長したところを見せた。

気持ちの余裕は相撲にも表れた。先場所敗れた白鵬を、前回と同じように突き放して前に出た。土俵際で右に回り込まれたが、相手の左足はわずかに砂を触っていた。「(残られても)両手を差したからいけると思った」とスキのない完勝だ。朝稽古には金色の真新しい締め込み姿で現れた。支度部屋まで迷っていたが、相手が白鵬ということで腰になじんだ黒を選択したことも吉と出た。

年末年始はモンゴルへ帰国し、再来日後は風邪でダウン。今年に入って稽古したのはたった1日で、今場所惨敗すれば批判の声は免れない。打ち出し後は診療所で栄養剤の注射を受けた。「熱はよくなってきた。オレが負けると思ってたでしょ。負けねえよ」。強さの根源の負けん気の強さだけは変わっていなかった。

≪白鵬「毎日勉強」≫新三役の小結・白鵬は拍子抜けの黒星発進。朝青龍の突っ張りを、柔かい足腰を生かしてこらえていたが、先に左かかとが出て、九重審判長の右手が挙がった。「足が出たのは分からなかった。さあ、これからという時だったのに…」と悔しさいっぱい。昨年九州場所に続く2場所連続の金星奪取を狙っていたが「しようがない。毎日勉強、勉強」と気持ちを切り替えた。td>



スポニチ 1月17日
<抜粋> 白鵬残った!10代Vへ望み
大相撲初場所8日目は16日、両国国技館で行われ、新小結の白鵬が栃東を引き落としで破って2敗をキープ。年6場所制となった1958年以降では歴代2位となる新入幕から5場所目でのスピード初優勝、そして貴花田(19歳5カ月)に次ぐ史上2位の19歳10カ月での年少Vに望みをつないだ。朝青龍は琴光喜を下して、ただ1人全勝でターンした。
落ちついて栃東を料理した。立ち合い、白鵬は左張り手の後、左まわしを取りにいったが取れず。それでも左にいなし、右に回りこみながら引き落とした。ともに大関を狙う注目の一番は19歳の白鵬に軍配。2敗でV戦線に生き残った。「立ち合いもよかったし、うまく攻められた。連敗はしたくない気持ちは強かった」。7日目の若の里戦は一方的に寄り切られて2敗目を喫した。都内の宮城野部屋に帰った後はVTRを繰り返し見て「攻めが甘かった」と反省。翌日にしっかり結果を出した。強い思いが支えだ。場所後の1月28日は母・タミルさんの58回目の誕生日。「プレゼント?優勝が1番」と前祝いしたいと燃えている。父・ムンフバトさん(63)とともに21日に来日し、14日目か千秋楽を国技館で初観戦の予定。好成績のままで晴れ姿を見せたい。期待はグングン高まるばかり。前頭筆頭だった昨年九州場所では12勝。北の湖理事長(元横綱・北の湖)は「大関昇進の基本は三役で33勝だが、前頭筆頭でも対戦相手は三役と同じ」と説明。審判部の押尾川部長も「これまでの成績を見ると(三役33勝に)かまっていられないね」と2けた勝利を挙げれば春場所が大関獲りになると示唆した。本人も「大関を目指してやっている。優勝は考えていない」と気を引き締めた。新入幕から5場所目での優勝となれば、佐田の山に次ぐ歴代2位のスピード記録。貴花田に次ぐ19歳10カ月での年少Vも見えた。白鵬は夢をつかむため、手綱を緩めない。



サンスポ 1月17日
<抜粋> 2大関2関脇撃破!驚異の19歳小結白鵬
大相撲初場所 9日目(17日、東京・両国国技館)新小結白鵬(19)が、2連敗中の大関千代大海の強烈な突っ張りを超人的な下半身、運動能力でしのぐと、左からののど輪で豪快に押し出し。モンゴルの新鋭が2敗を守り、優勝戦線に踏みとどまった。横綱朝青龍は、平幕岩木山を寄り切って9連勝。2敗は栃東、白鵬の2人になった。

どちらが突っ張りの使い手か分からない。立ち合い、千代大海が突っ張りで白鵬を土俵際まで追い込んだ。だが、弓なりになりながらも超人的な下半身で残した白鵬は、大関の寄りを見切ると、体を入れ替えて大逆襲。突っ張り返し、千代大海を土俵一周させた。最後は頭を引いた後の軽い左のノド輪でケリ。大関はヨロヨロ…と土俵下まで落ちていった。

「土俵際危なかったけど、よく残った。勝ってよかった。うまく土俵の上で動けました」。息詰まる17秒1の攻防を終えると、敗れた千代大海は息も絶え絶え。余裕の白鵬は2大関2関脇撃破。世代交代を印象づけた。驚異の下半身は21日に来日予定の父・ジジドさん(63)譲りだ。モンゴル相撲の元横綱から受け継いだ素質は、中学時代のバスケットボール部で鍛え上げられた。ブルズ時代の神様ジョーダンにあこがれ、今は田臥勇太(独立リーグ・ジャム)に刺激を受けるという19歳は「NBA選手になりたかった」と日夜練習に没頭した。鍛えたバランス感覚と強じんな下半身は日本の土俵で威力を存分に発揮している。

東の支度部屋に戻ると朝青龍が入浴中の風呂に入っていった。最強横綱に気を使って遠慮する力士が多いが、白鵬はアッケラカン。朝青龍からは「よくやった」と声をかけられ、打ち出し後の食事にも誘われた。上下関係に終止符を打ち“白朝時代”として並び立つ日は、もうそこまで来ている。(大沢謙一郎) 
★白鵬という男
■生まれ 1985年3月11日、モンゴル・ウランバートル生まれ、19歳。本名はムンフバト・ダヴァジャルガル。しこ名の由来は色白で容姿が横綱・大鵬に似ていることから
■スピード出世 平成13年春場所で初土俵。15年夏場所で昭和以降4位の年少記録となる19歳1カ月で新入幕。今年初場所で小結に昇進。19歳9カ月での新三役は昭和以降3位の若さ
■英雄の子 父のジジドさんはメキシコ五輪のレスリング83キロ級で銀メダル。モンゴルで初の五輪メダリストとなった
■スポーツ万能 少年時代は、バスケットボールのセンターとして活躍し、ウランバートルの大会で銀メダルを獲得。15歳のときには100メートルを11秒3で走った
■体重倍増 相撲を学ぶために15歳で来日。当時は1メートル75、68キロと小柄だったが、食事のたびに1リットルの牛乳を飲み干し、ドンブリ飯3杯を食べ、今では1メートル92、147キロに



中日 1月18日
<抜粋> 白鵬、新三役で勝ち越し一番乗り
3月11日に20歳になる白鵬が、10代最後の場所を楽しむように、史上2番目の若さで新三役の勝ち越しを決めた。9日目まで、組んでも離れてもよしの内容を続けてきた。この日は相手の土佐ノ海が「予定通りのいい相撲だった」と振り返った一番。白鵬が得意の左上手を封じられ、差した右下手一本で32歳のベテランの突進に対峙する形となった。土佐ノ海は白鵬の右からおっつけ、「あわてさせて突き落としてやろう」と狙っていた。それでも、19歳はあわてなかった。重心を低く保って右下手を離さず、押し込まれると右足を俵にかけて残り、そこから逆襲。右を引きつけて出ると、土佐ノ海が左ひざから土俵に崩れた。

審判長席の九重審判副部長は、「突き落としを警戒し、よく読んで動いていた。本当に末恐ろしい19歳だね」と絶賛。評価は日ごとに高くなっている。

昨年12月23日の番付発表会見で、白鵬は「何で関脇じゃないんだろう」と不満顔だった。九州場所(西前頭筆頭)で12勝し、一気に関脇昇進の可能性があっただけに、喜びより悔しさが先に頭をよぎっていた。その気持ちをぶつけるように、三役でだれよりも早くに給金を直した。「力を見せることができてよかった。勝ち越せたから小結でよかったのかな」。その余裕は、これで目標をさらに高いところに修正できたからだろう。

残り5日は、次の春場所で大関昇進をかける布石になる。(安田 栄治)



サンスポ 1月23日
<抜粋> 白鵬11勝、春場所大関とりだ

両親に祝福される白鵬 技能賞を獲得した新三役白鵬が、春場所での大関とり挑戦権をも手中にした。高見盛を押し出して11勝目をマーク。「こんなに勝てると思わなかった。(技能賞も)もらえたし、本当にうれしい」。支度部屋を訪れた両親と喜びをわかち合った。取組後、押尾川審判部長(元大関大麒麟)は「大関とり? そういう見方になる。(大関に昇進するには)相当いい成績が望まれる」との見解を示した。昨年九州場所では12勝、春場所で大関とりに初挑戦することになった白鵬は「(条件は)11、12番かな。がんばりたい」と意気込んだ。



日刊スポーツ 1月24日
<抜粋> 技能賞白鵬、両親の前で白星/初場所
<大相撲初場所>◇千秋楽◇23日◇両国国技館
11勝で技能賞に輝いた白鵬(19=宮城野)は「まさかここまで勝てるとは思わなかった」と充実の15日間を振り返った。

日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱北の湖)はこの日、新関脇となる白鵬について「11勝は足固め。スタートと言っていい」と述べつつも「(来場所が昇進場所になる)可能性はある」と、成績次第で春場所が大関昇進を懸けた場所となることを示唆した。

もっとも、白鵬自身はこの話題には笑顔を見せただけで、何も答えなかった。この日はモンゴルの民族衣装に身を包んで観戦した両親の前で、高見盛に圧勝。「緊張もしたけれど、最高です」と、満面の笑みを浮かべた。

取組後は両親が支度部屋を訪問。モンゴル相撲の元横綱で、1968年メキシコ五輪のレスリング銀メダリストの父ジジド・ムンフバトさんは「いつもテレビで見ているが、昨日と今日は観戦できて本当に良かった。自分の若いころを思い出す」と話していた。



スポニチ 1月24日
<抜粋> 白鵬が11勝、春場所で“特進大関”目指す
大相撲初場所(両国国技館)は23日、千秋楽を迎え、白鵬が高見盛を一方的に押し出して11勝目。技能賞を初受賞するとともに春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)が大関獲り場所になる可能性が高くなった。1986年初場所の北尾(のちの元横綱双羽黒)以来6人目の“特進大関”を目指す。朝青龍は大関千代大海を送り出し、3度目の全勝優勝を飾った。

取組後の西支度部屋で、モンゴル衣装に身を包んだ両親に迎えられた19歳は満面に笑みを浮かべながら握手を交わした。父・ムンフバトさん(63)母・タミルさん(57)と並んで上がり座敷に座った白鵬は「こんなにうれしいことはない。最高です」と喜んだ。

人気者・高見盛との一番。左からぶつかって相手の体勢を崩し、左ノド輪を繰り出して一気に押し出した。14日目に続いて両親と親類計5人の前で2連勝し、欲しかった技能賞も初受賞。モンゴル相撲の元横綱・ムンフバトさんは「自分が若いころを思い出して興奮した」と目を細めた。

そして一時はトーンダウンしていた春場所での大関獲りの機運が再び高まってきた。押尾川審判部部長(元大関大麒麟)は「優勝争いに加わるとかハイレベルな成績が必要」と前置きした上で「(前頭筆頭だった)先場所の12勝を加味していい。三役33勝にはこだわらない」と説明した。

三役2場所で大関昇進となれば、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では86年初場所での北尾以来6人目。15歳で来日した白鵬の目標は「お父さんより早く横綱になること」。ムンフバトさんは22歳でモンゴル相撲の横綱になった。だから、1日も早く大関になりたい気持ちは強い。

「今場所は大関になるんだという気持ちで相撲を取ってきた。チャンスを生かしたい」。無限大の可能性を持つこの男には目標をあっさり実現しそうな勢いがある。

▼北の湖理事長(元横綱) きょう11勝目を挙げ、白鵬は大関への足固めとなった。春場所での大関獲り?内容次第では昇進する可能性はあるが(春場所が)11勝では厳しい。基本は三役3場所で33勝だから。



サンケイ 西新井大師 2月4日
<抜粋> 大相撲夏場所(5月9日初日)の新番付が26日朝、発表
白鵬も2年連続で参加して「もっとまきたかったね」と嬉しそうに話してた。



日刊スポーツ 2月5日
<抜粋> 白鵬、故郷で学ぶ
大相撲春場所(3月14日初日、大阪府立体育会館)での新関脇昇進が確実な白鵬(19=宮城野)が、故郷のモンゴル相撲から新たなヒントを手に入れる。健康診断のため4日に国技館を訪れ「7日からモンゴルに帰国する。モンゴル相撲を、横綱だった父と一緒に観戦に行くよ」と話した。独特の投げ技などを研究し、今後の大関とりへの技術向上の参考にするつもり。角界入り後初めての旧正月の帰郷に胸が躍る。「すごく盛り上がるから楽しみ。一番楽しみなのがモンゴル相撲なんだ」と笑顔だった。



日刊スポーツ 2月6日
<抜粋> 白鵬、3役昇進祝う会で「次は大関」
1月の初場所で新小結となった白鵬(19=宮城野)の「新3役昇進を祝う会」が6日、東京・両国国技館で約250人を集めて行われた。

モンゴル出身の白鵬は、初場所で11勝を挙げて技能賞を受賞。来月の春場所では新関脇の昇進が確実となっている。「小結をクリアできたので、今度は大関を目指して頑張ります」と力強くあいさつすると、出席者からは「来年の今ごろは横綱昇進パーティーだ」との声も。前途洋々たる大器に大きな拍手が送られていた。



スポニチ 2月7日
<抜粋> 白鵬 激励会で「大関目指す」
大相撲春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)で大関獲りに挑む白鵬(19=宮城野部屋)の激励会が6日、両国国技館の大広間に約250人を集めて行われた。会の名称は「新三役昇進披露宴」だったが、新小結の初場所で11勝を挙げて来場所は早くも次なる目標が待っている。集まった後援者も口々に大関昇進、そして横綱昇進への期待を示した。本人も自覚は十分で「大関目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします」と力強くあいさつした。 



スポニチ 2月14日
<抜粋> 大相撲トーナメント 白鵬が最年少優勝
第29回大相撲トーナメントが13日、両国国技館で行われ、幕内トーナメントは初出場の白鵬(19=宮城野部屋)が大会最年少優勝を飾って賞金300万円を獲得した。十両は片山(25=阿武松部屋)が制し、優勝賞金50万円を手にした。

白鵬の決勝の相手は横綱・朝青龍。得意の左上手をなかなか取らせてもらえなかったが、苦しい体勢をしのいでがっぷり四つに組むと自信満々に前へ出た。91年大会の曙の21歳を上回る最年少優勝で春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)での最年少大関獲りに弾みをつけた。横綱撃破にも「本場所ではもっと力を出して勝ちたい」と満足はしていない。「大阪に入ったら横綱のところにも出稽古に行く」と朝青龍に胸を借りて、さらに精進することを誓った。 



サンスポ 2月18日
<抜粋> 白鵬が3日ぶりにけいこ再開
大相撲春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)で新関脇が確実な白鵬が18日、大阪入りするまでは出げいこはせず、自身の宮城野部屋でじっくり調整することを明かした。来場所は大関とりを狙う大切な場所。慣れたけいこ場で鍛錬を重ねるつもりだ。16、17日は力士会旅行で熱海を訪れ、「リフレッシュできた」と笑顔。この日は3日ぶりにけいこを再開し、申し合いを31番こなすなど約2時間、汗を流した。 



スポニチ 2月23日
<抜粋> 白鵬がチャリティーゴルフコンペ開催
大相撲春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)で大関獲りに挑む白鵬(19=宮城野部屋)が、チャリティーゴルフコンペを開くことが22日分かった。同郷の先輩である旭鷲山や旭天鵬、宮城野部屋の後援会関係者ら約80人を集めて26日に開催し、集まった義援金を新潟県中越地震の被災者に送る予定だ。初場所で三役に昇進して堂々の勝ち越し。「まだまだだけど」と謙そんするが、責任ある立場にふさわしい行動を自覚しつつある。遊びも兼ねたゴルフコンペながら、横綱・朝青龍や旭鷲山らも行っている福祉活動の第1歩。横綱候補との呼び声高い大器に、土俵外での活躍にも期待がかかる。 



サンスポ 2月26日
<抜粋> 大相撲トーナメント
大相撲トーナメント第29回大会(13日、両国国技館、観衆=9016)は、小結白鵬(19)が初優勝を果たし、優勝賞金250万円などを獲得した。決勝戦で横綱朝青龍(24)を寄り切って、春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)での大関とりへ弾みをつけた。敢闘賞には4強入りした露鵬(24)が選ばれた。十両トーナメントは片山(25)が優勝した。〔写真:朝青龍(左)を相手に一歩も引かない白鵬。

祝福の座布団が、国技館内に乱れ飛んだ。白鵬が決勝で朝青龍を破って優勝。19歳という年齢を感じさせない落ち着きで快挙を振り返った。

「左上手を取って、いけると思った。本場所ではもっと力を出したい」

追風海、旭天鵬、栃東、露鵬を下して決勝へ。しかし、相手は初場所で全勝優勝した横綱。白鵬も初日に完敗しており、誰もが準優勝を予感した。が、右四つから両まわしを引きつけ、力強く寄り切った。「最後に寄ったとき、横綱の力が抜けたように感じた」。土俵際で横綱があきらめるほどの完勝だった

5年前に来日したときから、朝青龍には公私ともに世話になった。けいこをつけられ、食事に連れられ、励まされ…。昨年の九州場所で朝青龍との初対決に勝ったときには、「恩返しができました」と吐露した。今月にモンゴルに帰郷した際にも、ウランバートル市内で行われたモンゴル相撲(ボフ)を一緒に観戦。朝青龍は、身近な存在であり、目標でもある。

20歳で迎える春場所で、史上最年少の大関昇進を目指す白鵬。「大阪に入ったら、横綱の所に出げいこに行きたい」。この日の自信を胸に、先を見据えた。  



準々決勝⇒対栃東(寄り切り)
準決勝⇒対露鵬(寄り切り)
決勝⇒対朝青龍(寄り切り)


毎日 2月28日
<抜粋> 白鵬、スピード出世 春場所新番付を発表
日本相撲協会は28日、大相撲春場所(3月13日初日・大阪府立体育会館)新番付を発表した。新関脇の白鵬、新小結の琴欧州が、記録的なスピード出世を果たした。

白鵬は、20歳の誕生日(3月11日)を迎える目前での昇進。昭和以降では貴花田(横綱貴乃花)の19歳0カ月に次ぐ若年出世。01年春場所初土俵から所要24場所での昇進も年6場所制が定着した1958年以降7位の速さ。白鵬は昨年九州場所が前頭筆頭で12勝、初場所は新小結で11勝。北の湖理事長は「春場所の内容次第で話題に出る可能性がある」と話し、優勝争いに絡めば一気に大関取りの目もある。【上鵜瀬浄】

 ○…昨年初場所の新十両以来7場所連続勝ち越しで関脇に昇進した白鵬は、大阪府堺市の宮城野部屋宿舎で会見。「出来れば12番か13番は勝ちたい」と抱負を語った。師匠の宮城野親方(元十両金親)が「素質もあるが、たゆまぬ努力をしている」と語る逸材。春場所の成績次第では大関昇進の期待もかかる。「硬くならないように相撲を取りたい」と話す白鵬に、育ての親の熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)は「負けてもいいから自分の相撲を取ること」と助言した。 



ヨミウリ 2月28日
<抜粋> 大相撲夏場所(5月9日初日)の新番付が26日朝、発表
大相撲春場所(3月13日初日・大阪府立体育会館)の番付が28日、日本相撲協会から発表された。三役の顔ぶれが大きく変わり、白鵬は19歳11か月の若さで新関脇に昇進。昭和以降では、貴花田(後の貴乃花)の19歳に次ぐ2番目の記録。

◆「12、13番は勝ちたい」白鵬が意欲◆

新関脇に昇進した白鵬(宮城野部屋)は大阪府堺市内の宿舎で会見し、「できれば12、13番は勝ちたい」。大関昇進に向けた足場固めの場所となるが、ハイレベルの成績を残せば、一気に昇進の可能性も。

「一番一番、硬くならないように」と、意欲を見せた。初日の2日前の11日が20歳の誕生日。部屋の熊ヶ谷親方(元幕内竹葉山)は「気が緩んだような相撲が時々ある。それがなくなれば大関だ」と期待していた。  



日刊スポーツ 3月1日
<抜粋> 白鵬、史上最年少での大関昇進を狙う
白鵬(19=宮城野)が史上最年少での大関昇進を狙う。大相撲春場所(13日初日、大阪府立体育会館)の新番付が2月28日に発表された。新関脇に昇進した白鵬は初の大関とりへ意欲を口にした。今場所で昇進を決めれば、貴ノ花(現貴乃花親方)を上回る20歳0カ月の最年少大関が誕生する。石出(28=放駒)が初土俵から13年で新入幕を果たした。

新関脇に昇進した白鵬は素直に喜びを表すと同時に、早くもその先を見据えていた。「『関脇』って響きがいい。大関の次だからね」とあどけない笑顔を浮かべて言った。

初土俵が01年の春場所。「新弟子の時のことは昨日のように覚えている」。わずか4年、本人も驚くほどのスピードで出世街道を突き進んできた。初日2日前の11日に20歳を迎える若武者は、20歳5カ月で大関に昇進した貴ノ花を越える最年少記録に挑む。初場所後にインターネットで記録のことを知った白鵬も「もし抜ければすごいこと」と意識している。前師匠の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)も「まだいい時と悪い時の波がある。いい時の相撲を15日間続けられれば、大関も可能だと思う」と期待する。

先月上旬にモンゴルへ帰り、旧正月を故郷で過ごして心身ともにリフレッシュ。白鵬は「硬くならずに一番一番取りたい。できれば12番か13番勝ちたい」と目標を掲げた。新世代の旗手が、一気に大関へと駆け上がる。



スポーツ報知 3月1日
<抜粋> 白鵬最年少大関取り
母国モンゴルのタブロイド紙には日本より先行して「白鵬がモンゴル相撲の大横綱、バットエルデンの娘と交際中?」「トップモデルと熱愛か」などの記事が出ているらしく、白鵬は「デタラメ」と笑って否定。だが、貴超えを実現すれば、日本の芸能メディアも、モンゴル青年を狙う日がやって来そうだ。 



読売 3月2日
<抜粋> 白鵬も猛げいこ
一方、新関脇の白鵬(宮城野部屋)も部屋で元気に汗を流した。部屋の幕下力士らと約30番。動きは軽快で、仕上がり具合も順調そうだ。ハイレベルの成績を残せば、大関昇進の可能性もあるが、大器らしく余裕すら感じさせた。 



日刊スポーツ 3月3日
<抜粋> 関取相手に不調の白鵬
新関脇白鵬(19=宮城野)は3日、出羽海部屋へ出げいこ。黒海や露鵬なども訪れ、8人の関取衆が集まっての激しいけいことなった。関取との申し合いを1週間以上していなかった白鵬は、黒海に3連敗を喫するなど10勝7敗。腰高で一方的に押し出されるなど、本調子には遠い内容だった。「早く勝とうという気持ちが強かった」と本人が反省すれば、前の師匠の熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)も「集中してやらないと」と苦言を呈していた。 



朝日 3月3日
<抜粋> 立ち合い前、草原を思う
常に心の支えになっているご両親に何かプレゼントはしましたか。(初場所に受賞した)技能賞の賞金や懸賞金をあげました。世話になった感謝の気持ちですね。



スポーツ報知 3月3日
<抜粋> 白鵬最年少大関取り
母国モンゴルのタブロイド紙には日本より先行して「白鵬がモンゴル相撲の大横綱、バットエルデンの娘と交際中?」「トップモデルと熱愛か」などの記事が出ているらしく、白鵬は「デタラメ」と笑って否定。だが、貴超えを実現すれば、日本の芸能メディアも、モンゴル青年を狙う日がやって来そうだ。 



スポニチ 3月9日
<抜粋> 白鵬 朝青龍との稽古を回避
最年少大関昇進を目指す白鵬(19=宮城野部屋)が8日、恒例の横綱・朝青龍との稽古を回避して春場所(13日初日、大阪府立体育会館)に臨む意向を示した。これまでは場所前に朝青龍と稽古を積んで臨んできたが、今回はまだ体ができていないと判断し「横綱のところには行かない。あす(9日)は出羽海部屋。10日以降は出稽古しない」とキッパリ。夜には大阪市内で行われた前夜祭に参加、ファンから「早く大関になって」と声をかけられ笑顔を見せていた。

≪朝青龍 花粉症でダウン≫2場所連続全勝優勝を目指す朝青龍が稽古を休んだ。師匠の高砂親方(元大関・朝潮)は「疲れているようだから、少し休憩だ」と説明。数日前からは「人生で初めて」という花粉症にもなっており、体調管理を優先したようだ。それでも夜には大阪市内での前夜祭に参加。「しっかり調整して臨みたい」と史上初の年間6場所完全制覇に向けて、優勝をファンに約束した。 



サンスポ 3月9日
<抜粋> 大相撲夏場所(5月9日初日)の新番付が26日朝、発表
「2005年大相撲春場所前夜祭」(主催・産経新聞、サンケイスポーツ)が8日、大阪市内のサンケイホールで開かれ、約1400人のファンが詰め掛けた。横綱朝青龍、新関脇白鵬ら7人の幕内力士が参加し、勝ち抜きじゃんけんゲームなどを楽しんだ=写真。2場所連続の全勝優勝を狙う朝青龍は、「精いっぱいがんばります」と笑顔。春場所後、貴花田の20歳5カ月を上回る史上最年少(20歳0カ月)での大関昇進を目指す白鵬は、「かたくならないようにしたい」と記録達成に意欲をみせた。 



デイリースポーツ 3月10日
<抜粋> 新関脇・白鵬は「リラックス」
新関脇白鵬が10日、尼崎市のアルカイックホールで開かれた「宮城野部屋関西後援会設立記念・大阪場所激励会」に出席した。250人が出席した激励会の開会前には同市のわんぱく相撲教室に通う子どもたちにサインと記念撮影のサービス。午前中は堺市の龍谷保育園を訪問し、130人の園児と綱引きや玉入れを楽しんだ。11日に20歳の誕生日を迎える白鵬は「すごくリラックスできたね」と笑顔で話した。 



日刊スポーツ 3月11日
<抜粋> 関脇白鵬に3つ目の後援会発足
史上最年少の20歳0カ月で大関とりに初挑戦する大相撲の関脇白鵬(20=宮城野)に、強力な援軍が付いた。尼崎市内で10日、関西では3つ目となる宮城野部屋関西後援会が発足。春場所(13日初日、大阪府立体育会館)直前の後援会設立ラッシュに、白鵬は「大勢に応援されてうれしい。必ず活躍する」と誓った。

既存の泉州後援会に加えて、八尾後援会と関西後援会が立ち上がった。会員は合計約650人。場所後には4つ目の近畿後援会もできる。すべて期待の表れ。関西後援会の大原会長も「ぜひ今場所も好成績を出して欲しい」と、大関昇進に向けてエールを送った。

白鵬自身も尻上がりに調子を上げている。出げいこも終了し、この日から部屋での最終調整にかかった。今日11日は20歳の誕生日。「(10日夜に)久々に飲みに出るし、けいこも休みだから、ずっと寝てるよ」。最後にリフレッシュして、万全の状態で本番に臨む。 



日刊スポーツ 3月11日
<抜粋> 白鵬、20歳誕生日に決意新たに
貴花田(後の横綱貴乃花)を抜く史上最年少大関昇進を狙う関脇白鵬(20=宮城野)は、11日が20歳の誕生日。ケーキをほお張りながら「おいしい。モンゴルにいるころは、親せきが集まって豪華にやっていた」と笑顔を見せた。

この日は完全休養日で、けいこをせず体を休めた。初日の対戦相手が垣添、2日目が黒海と決まり「楽しみ。いつも通りにやって、2けた(勝ち星を)狙って頑張る」と決意を新たにしていた。 



デイリースポーツ 3月11日
<抜粋> 白鵬、20歳誕生日に決意新たに
貴花田(後の横綱貴乃花)を抜く史上最年少大関昇進を狙う大相撲の白鵬は11日、20歳の誕生日を迎えた。ケーキをほお張りながら「おいしい。モンゴルにいるころは、親せきが集まって豪華にやっていた」と笑顔を見せた。

この日は完全休養日で、けいこをせず体を休めた。初日の対戦相手が垣添、2日目が黒海と決まり「楽しみ。いつも通りにやって、2けた(勝ち星を)狙って頑張る」と決意を新たにしていた。 



サンスポ 3月11日
<抜粋> 史上最年少大関へ、白鵬20歳の誓い
新関脇白鵬が11日、人生の節目となる20歳の誕生日を迎え、大関とりへの決意を胸に刻んだ。13日に初日を迎える春場所(大阪府立体育会館)で大関昇進を果たせば、貴花田(のちの横綱貴乃花、20歳5カ月)を超える20歳0カ月の史上最年少記録となる。11日には取組編成会議が開かれ、白鵬の初日の相手は垣添、2日目は黒海と顔を合わせる。20歳となって解禁となった“美酒”に向かって、若武者が突き進む。

毎年同じ日に迎える誕生日だが、今年のケーキは一味違う。大関とりの場所。口いっぱいに広がった甘いクリームに、“前祝い”の味がした。

「同じ誕生日が3人いる部屋なんて、珍しいでしょ」

宮城野部屋には、白鵬と同じ3月11日生まれの力士がほかに2人もいる。白鵬と同じモンゴル出身で幕下の龍皇(22)と序二段の竹十葉(21)。自身のバースデーケーキを2人に分け、元気に出陣ののろしをあげた。

この日は完全休養日にあて、力をためこんだ。前日には兵庫・尼崎市で行われた宮城野部屋の後援会に出席した白鵬は、日付が変わると関係者と食事に出かけ、解禁となった“お酒デビュー”を果たし、大人の仲間入り。気勢もあがった。

ハードルは高い。大関昇進の目安は直前3場所を三役として合計33勝以上。12、11勝の白鵬は10勝が当確ラインだが、昨年九州場所は平幕だっただけに、さらに高い成績が求められる。初日は垣添、2日目は黒海との対戦するが、「自分が関脇になったことで、相手はこれまでと違う気持ちでくる」と平幕相手にも気を緩めることはない。

新小結だった初場所は初日に横綱朝青龍と対戦し惜敗したが、今場所は後半戦での挑戦が濃厚。成績次第では、先場所終盤戦に来日し、息子の雄姿を初めて観戦した父・ジジドさん(63)、母・タミルさん(58)を再び日本に招くプランもある。今度こそ両親の目の前で横綱超えを果たす、20歳の誓いは熱い。

「いつもどおりの調子でいって、2ケタ(勝ち星)を狙っていく」。白鵬の白星の積み重ねが、歴史を動かす。(江坂勇始)  

★モンゴルの成人年齢
18歳で選挙権、25歳で被選挙権が与えられる。誕生日は家族だけでなく、親せき一同を集めて行われる。白鵬は「プレゼントをもらうことよりも、たくさんの人たちに会えることのほうがうれしかった」。初場所2日目に部屋のある東京・墨田区の成人式に参加した際には、「同い年なのに落ち着きがない」と日本の若者に苦言も。



日刊スポーツ 3月12日
<抜粋> 白鵬、20歳の誓いは大関獲り
史上最年少20歳0カ月で大関とりに初挑戦する新関脇白鵬(宮城野)が11日、20歳の誓いを立てた。春場所(13日初日、大阪府立体育会館)の取組編成会議が行われ、初日に西前頭2枚目垣添(26)との対戦が決定した。序盤から連勝街道でV争いに残り、終盤戦に尊敬する両親を呼び寄せ、大関昇進の晴れ姿を見せる目標を明かした。3場所連続V、2場所連続全勝を狙う横綱朝青龍は、新小結琴欧州の挑戦を受ける。

20歳を祝うケーキの前で誓った。今回は、まだ両親を呼ぶかは未定。でも「いい成績で後半戦までいったときは、ぜひ呼びたい」と話した。まずはV争いをして、大関昇進の可能性を膨らませる。そんな中、元モンゴル相撲の歴史的大横綱の父・ムンフバトさん(63)の前で、横綱朝青龍を倒す。ひそかに痛快な青写真を描いていた。

初日の相手は3戦全勝の垣添、2日目が2勝1敗の黒海と決まった。「負けず嫌いの2人だね。いいね。楽しみ」とニヤリ。強烈な突き押し相撲で真っ向から攻めてくるタイプだが、元師匠の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)は「初場所以降、いろんな形の立ち合いを磨いてきた」と話す。懐の深さで受け止め、がっちりまわしをつかみ取るも良し。最近覚えた、張り差しで相手の勢いを削ぐか、突っ張りで迎撃するも良しだ。

初場所千秋楽後に北の湖理事長は「初場所の11勝は第1歩。来場所は、まだそこ(大関とり)までとは言い切れないだろう」と否定的な見解を出している。だからこそ前半戦での取りこぼしだけは避けたい。「いつも通り緊張しないで、場所に臨みたい」。史上最年少大関の偉業へ向け、後は精神面を整えるだけだ。【瀬津真也】 



毎日 西新井大師 3月日
<抜粋> 昇る:05年大相撲春場所/上 白鵬 夢への鍛錬怠らず
13日に大阪府立体育会館で初日を迎える大相撲春場所。連続全勝優勝を狙う横綱・朝青龍の強さが際立つ中、次世代の波も押し寄せている。新関脇・白鵬と新小結・琴欧州だ。怒とうの勢いで出世街道を突っ走る2人は今場所の活躍次第でさらに「上」が見えてくる。気鋭の19歳と22歳に迫った。

「あの日連れて行ってもらったレストランの食事がおいしかった」。白鵬が大阪入りして間もなく車中でつぶやいた。あの日とは5年前の12月23日。モンゴルへ帰国直前、宮城野部屋に拾われ、角界へ道が開けた日だ。

旭鷲山の仲介で来日。親方衆からのスカウトを待って2カ月以上過ごした街が大阪だった。体重60キロ台の少年に素質を見いだした熊ケ谷(当時宮城野)親方は「細かいことまで覚えてる。大阪が原点という気持ちがあるみたいだね」と語る。

思い出深い地で、精力的に出げいこをこなしている。連日のように琴欧州、黒海、露鵬ら実力者と手合わせ。本人が「新弟子のころが昨日のよう」と言うように、初土俵から4年で関脇となった。今場所、優勝争いにでも絡めば、大関昇進もありうる。熊ケ谷親方も出げいこに帯同し、愛弟子への助言に必死だ。

連続2けた勝利を挙げた九州、初場所は左上手からの強烈な投げが面白いように決まった。しかし、相手も研究を重ねてくる。四つ相撲だけでは上を目指せないと、長いリーチを生かした突っ張りに磨きをかけている。前に出て突き放し、相手の体勢を崩して左上手。新たな“必殺パターン”の開発に余念がない。

けいこを始めた当初、まわしを欲しがる場面が目立った。上体が反って足が出ず、露鵬に付いて来た大嶽親方に「調子が悪い時ほど必死にやらなきゃ」と怒鳴られる場面も。しかし、徐々に修正。熊ケ谷親方が「普通は1年かかるものを1カ月で覚える」と驚く順応の早さを見せ、白鵬も「調子は上がってきた」と落ち着きを見せる。

けいこが終わって風呂から上がると、30分ほど過去の自分の取組のビデオに見入るのが日課だ。先場所、朝青龍に敗れた一番は、もう何十回も繰り返し見て研究した。頂点の牙城を崩さないことには、大関の夢が見えてこないことを自覚している。【堤浩一郎】。



日刊スポーツ 3月13日
<抜粋> 白鵬、スッポンパワーで最年少大関獲りだ
新関脇白鵬(宮城野)が「スッポンパワー」で、史上最年少20歳0カ月での大関とりを成就させる。大相撲春場所は今日13日に大阪府立体育会館で初日を迎える。白鵬は12日の夕食に、最近8日間で3度目となるスッポン料理を平らげ「精力ついたよぉ」と万全だ。

モンゴルでは見たこともなかったが昨春、入門時から指導を受ける前師匠の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)に勧められ初めて「対面」。当初は「カメなんて食べられない」と及び腰だったが、同親方に「力がつくから食え!」と強引に口に放り込まれた。するとこれが美味で、肉から生き血のワインまで2匹をペロリ。「あれから病みつきだぞ」と同親方。先週まで不調だったが、5日に今月初めて口にすると「翌朝にはギンギン。調子が一気に変わった」と白鵬。9日も食べ、力が余っているのか、軽めのけいこで終わる予定だったこの日も、若い衆と22番の申し合いをこなした。

大関とりについて押尾川審判部長(元大関大麒麟)は「優勝なら文句なしだが何番でとは決まってない」。北の湖理事長(元横綱)も「現時点では何とも言えない」。停滞ムードを払しょくするためにも、序盤からスッポンパワーで爆走してみせる。【瀬津真也】 



スポニチ 3月13日
<抜粋> 白鵬すっぽんパワーで大関獲り
ここまで順調に稽古をこなしてきた。4日には熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)と堺市内のすっぽん料理店に出かけて英気を養った。この日は前日までと打って変わって真冬のような寒さで、稽古場にも冷たい風が吹き込んだ。部屋の幕下・龍皇は風邪でダウン。だが、新関脇は元気そのもので「またすっぽんパワーをもらっていこう。血とか肝臓に栄養がたっぷり入ってるからね。体が熱くなるんだ」とうれしそうに語った。20歳の誕生日を迎えた11日には後援会関係者にふぐをごちそうになったばかり。ふぐとすっぽんの力を得て最年少大関への挑戦が始まる。 



日刊スポーツ 3月13日
<抜粋> けいこ不足? 白鵬が黒星/春場所
新関脇の白鵬(20=宮城野)が、あっけなく土俵を割った。過去3戦して負けなしの垣添を相手にまさかの黒星スタート。支度部屋のテレビで自分の取組を見ると首をかしげた。

「かち上げて体が伸び上がってしまった」と、敗因を分析。相性のいい相手に油断したわけではないだろうが、敗戦よりも内容の悪さが気になる滑り出しだ。「けいこ不足か」との問いに白鵬は「人付き合いが多くて、昼間寝ないことが多かった」と、調整が万全でなかったことを認めた。

11日に20歳になったばかりで、成績次第では貴花田(後の貴乃花)をしのぐ史上最年少大関昇進の可能性もあるが、いきなり厳しいスタートとなった。 



日刊スポーツ 3月14日
<抜粋> 大関どり狙う白鵬、痛い黒星発進/春場所
<大相撲春場所>◇初日◇13日◇大阪府立体育会館
史上最年少の大関昇進を狙う新関脇白鵬(20)は、西前頭2枚目垣添(26)に押し出されて完敗した。

大関どりのかかる白鵬が痛い星を落とした。身長で15センチ低い垣添に潜り込まれると、あとは何もできなかった。得意の粘り腰も発揮できず、一気に押し出された。平幕相手に初日から完敗を喫し、口を半開きで天井を見つめた。

策におぼれた。普段はけいこでも張り差しは右しか使わない。しかし、この日の立ち合いは左の張り手から右のかち上げで当たった。付け人も「左で張ったのは見たことがない」と驚いたほど。新技を試す余裕があだとなり、上体が起きて相手を呼び込んでしまった。「かち上げで体が伸びきってしまった。腰も高かったし…。アー、失敗した」とため息をついた。モニターで観戦した朝青龍にも「もっと緊張した方がいい。ドッシリ構えすぎだ」と苦言を呈された。

「まだいい時と悪い時の波がある」。場所前、入門前から指導してきた熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)が口にしていた不安が的中した。2場所前が平幕だったこともあり、大関昇進には最低でも優勝に近い成績が求められる。心にできたすきで、痛すぎる1敗を喫した。「また明日」。短い言葉で巻き返しを誓った。【太田尚樹】 



日刊スポーツ 3月14日
<抜粋> 白鵬連敗で大関昇進は絶望的に/春場所
<大相撲春場所>◇2日目◇14日◇大阪府立体育会館
白鵬(20=宮城野)は、初日の再現のような相撲で簡単に土俵下に突き出された。今場所後の大関昇進が遠のく2連敗に「仕方ない。立ち合いで当たってないのかなあ」と、さすがにショックの色は隠せない。

初日の垣添にこの日の黒海と、前に出る圧力のある相手を止められない。場所前のけいこでは部屋付きで前師匠の熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)から「腰が高い」と何度も注意されたが、その課題を修正できていないようだ。

北の湖理事長(元横綱北の湖)は「2連敗は大きい。次につなげるためにも自分を取り戻してほしい」と言い、土俵下から見詰めた九重審判長(元横綱千代の富士)は「相撲は負けて覚えるもの」と話した。

初めて経験する試練を、ひと味違う自分を見せるチャンスにすることもできる。「あしたからまた頑張る」と話した若武者の巻き返しに期待したい。 
















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